もう年末ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
最近はいくつかフリーの短編RPGをプレイしました。そこであらためてターン制RPGに関して考え直してみる必要があるんじゃないかと思い、キーボードを叩いています。
以前このブログで、ターン制RPGの問題についてという文章を書きました(書き慣れていない頃なので、文章の出来がイマイチなのですが)。要は、リアル化するグラフィックとのちぐはぐさが出るため、時代遅れのシステムの象徴とされていること、一方でターン制RPGにはまだまだ可能性があることを軽く書いています。
で、近況はどうなのかというと、最近発売された『FINAL FANTASY XV』や海外製オープンワールドRPGは戦闘がアクション化し、『ペルソナ5』や『サガスカーレットグレイス』はターン制のままです。スマホ系もターン性が主流だと考えると、ターン制はまだまだ現役だと言えます。戦闘自体の内容も、殴る・回復するのループから脱却し、様々な楽しみ方が出来るよう構築されています。
様々なRPGをプレイし観察してきた体験を通し、あらためてターン制RPGを面白くするには何が必要か再び考察していこうと思います。今回もお付き合い下さい。
◆バフとデバフ
近年のRPGで最も見直された要素だと思います。バフはプレイヤーに有利な効果を与えることで、デバフは敵に不利な効果を与えることです。これが見直されたきっかけは、MMO(オンライン)RPGではないでしょうか。MMOは基本的にプレイヤーがひとりのキャラしか操作できないため、補助役にも活躍の場を与えるために効果を大きくしています。それが普通のRPGに逆輸入され、有効なバフデバフが増えてきたように見えます。そもそもSFC期のRPGは効果が薄すぎて存在する意味がないものが多かったので、いい傾向だと思います。さて、ターン制RPGの場合、効果継続ターンというものがあります。例えばバフで攻撃能力を強化しても、効果が少なく持続ターンも短いようでは、プレイヤーは結局殴った方が早く思ってしまいます。また、戦闘ターンの少ない雑魚戦で与えた毒のダメージが5~10%程度だと、ほとんど使う意味もないでしょう。
そのためターン制RPGのバフデバフは、ターン数との兼ね合いが重要です。個人的にはバフデバフ効果は多めに盛ってもかまわないと思っています。なぜならプレイヤーは、自分に有利になるものを優先して使うからです。バフデバフ効果を強くすると戦闘が簡単になるんじゃないかと思うかもしれませんが、手間をかけ強い効果を得ることは、プレイヤーにとって快感であることを忘れてはいけません。
もしも効果を少なめに見積もるなら、永続効果にするのも良いと思います。持続ターンを少なめにする代わりに、爆発的に高い効果を与えるのも手です。
◆パッシブスキル
パッシブスキルはFFシリーズが早くから使っていましたが、「パッシブスキル」という名がよく使われるようになったのは近年になってからだと思います。パッシブスキルは習得すれば自動で効果を発揮するもので、単純に能力強化するもの・条件付きで発生するもの・ハイリスクハイリターンを与えるものなど様々です。パッシブスキルの良い点は、スキルの効果でそのキャラの個性を与えられるところです。キャラクターの戦闘での役目を表すだけでなく、キャラクターの性格までも表す事があります(勇猛果敢なら、攻撃力の上がるパッシブなど)。
パッシブはターン制でもアクションRPGでも有効です。ただし戦闘中でもスキル欄に表示されていれば、じっくり効果を確認できることがターン制での利点でしょうか。
◆スキル習得の自由
上記のようなスキルを覚える際、ただレベルでスキルを習得するのではなく、ポイントを割り振って好きに覚えられるRPGは増えています。その代表例は『世界樹の迷宮シリーズ』で、キャラの役割を自分で考えて習得していく楽しさが売りのひとつです。ターン制RPGの場合、特に雑魚戦は戦闘が短いため、毎戦がパターン化され、あまり考えて戦う必要がなくなってしまいます。しかし自由なスキル振りがあれば、例え戦闘での選択が限られていたとしても、プレイヤーに「自分で考えて戦った!」と思わせることが出来ます。
◆ターン数のバランス
先日SFCバーチャルコンソール版のロマサガ1を遊びました。このゲーム、上記のように有効なバフデバフが少なくパッシブもありませんが、それでも楽しく戦闘が出来ました。その理由のひとつに、ほとんどの戦闘が(陣形配置さえできていれば)1ターンで終わることが挙げられます。ロマサガ1は戦闘数がシナリオ進行度を決めており、クリアまでに約900回の戦闘をこなさなくてはいけません。そういったゲームの場合、もしバフデバフが必須でターン数がかかるゲームだったらいかがでしょうか?ただでさえ難しいゲームなのに、戦闘が苦痛になることは目に見えています。多くのターン制RPGが2~3ターンで雑魚戦が終わるよう出来ていますが、必要戦闘数が多いのならば、1ターンで決着がついたほうが楽しく進められるはずです。逆にターンをかけて戦うRPGならば、総戦闘数を減らしてテンポを上げたほうが良いでしょう。事実ロマサガリメイクのミンストレルソングは、進行度の計算方法を変えて戦闘数を減らした代わりに、平均ターン数は増えています。
逆に必要戦闘回数の少ない短編RPGの場合、ターンをかけてじっくり戦うことと相性が良いです。最近プレイした短編RPG『終わり逝く星のクドリャフカ』や『ラルスと白夜城のお姫様』は、雑魚戦でじっくりと考えて戦う楽しさがありました。ターン数はただ多ければいい、少なければいいわけではないことを伝える好例です。もちろん殴る回復以外することなくターン数が多い場合はダレますけどね。
以上です。あらためて見直しても、ターン制にはまだまだ進化の余地があるようでした。コンシューマだけでなく、フリゲでもそれぞれが研究が進んでいるのは大変良いことだと思います。今後ターン制はアクション系統のRPGとはまた別ベクトルへと進むのではないかと期待しています。
なんだかんだで今年も大小沢山のRPGをプレイしました。良いゲームとたくさん巡り会えて幸せです。だからといって、網羅にはまだまだ遠いです。来年も良作を見つけたと思います。それでは!
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