2016年1月31日日曜日

君は『メイジの転生録』を知っているか!?

― † 前 世 覚 醒 せ よ † ―
― † 前 世 覚 醒 せ よ † ―
― † 前 世 覚 醒 せ よ † ―

Mystic
Aurapower
Generating
Evolseed

前世の運命を以って 超常の異能を操る者達は
“メイジ”と呼ばれた…


どうも、ノンジャンル人生です。この記事で年末年始までやっておきたかったことは大体終わりそうです。

2015年、皆さんはどんなゲームを触りましたか?コンシューマでは去年は一昨年に比べ販売本数200万本を超えるヒット作は減りましたが、ブラッドボーンやウィッチャー3、フォールアウト4などPS4による次世代ハイクオリティーのゲームの発売、ドラクエ11とリメイクFF7の発表、NXやPSVRの開発の発表など、ゲームの可能性を広げる年でもありました。スプラトゥーンの国内ヒットも記憶に新しいですね。

フリゲ界隈では例年にないほど長編RPGの充実さが目立ちました。特にフリゲ2015では「イニシエダンジョン」や「ざくざくアクターズ」が人気を博していましたね。それだけではなく、「Ib」の二次創作展やフリゲオンリーの即売会など、ゲームの枠を超えたイベントが増え、フリゲも今や無視できないほど大きな存在になりました。

さて、そんな2015年も終わりを迎える12月24日、クリスマスイブの日にとあるフリゲが静かに投下されました。リリースされるやいなや、その衝撃はフリゲファン内で波紋のように広がり、2016年を超えてからも話題が下火になることはなく、むしろどんどん加熱しているように見えます。

そのゲームの名は『メイジの転生録』。unbreaktell氏によってVIPRPG紅白2015に投稿されたノンフィールド式のRPGです。



このゲームについて語る前に、「メイジシリーズ」について話さなければいけません。メイジシリーズは転生録も含めると全3作品あり、1作目「メイジの悲劇嘆」はなんと10年前にリリースされたゲームです。




このタイトル絵を見て「!?」と思った方もいるかも知れません。しかしこのゲームのキモはここではありません。




登場人物が皆「運命」を連呼したり、意図的なのかそうじゃないのか謎の誤字が多数あったり、モンスターの塗り範囲が間違っていたりと、とにかく突っ込みどころ満載です。(ちなみに配信先のVectorでメイジの悲劇嘆と検索しても本作はヒットせず、なぜかメイジ悲の劇嘆と打ち込まないと出てきません)

しかし異様に印象に残る台詞回し、個性の立ったキャラクター達、壮大な話を数時間でまとめ上げるほどのコンパクトさ、BGMの選曲の良さなど、他のゲームとは一線を画しています。戦闘バランスは後述の作品に比べるとけして良くはないですが、複雑な要素はほぼなく、テンポよく快適にプレイできるのも特徴です。

※もっとメイジの悲劇嘆のことを知りたい方はこちらの記事がオススメです。
丘の上のカテドラルさん:メイジの悲劇嘆

それでもその粗さゆえか、近年まであまり日の目を見ることはありませんでした。次作の体験版も配信していたようですが、その後は何の音沙汰もなく時が過ぎてゆきました。

状況が変わったのは2015年夏。VIPRPGに2作目「メイジの因果録~歪曲因果 逆行運命~」が投下されました。


因果録はコアなフリゲマニアたちに衝撃を与えました。長い年月を超え再び姿を表した本作は、その独特なノリが更に強まっており、同時にゲームとしての完成度も跳ね上がっていたのです。





凄まじい勢いのオープニング。まるで吹っ切れたかのように躊躇のない展開。狂気にまみれた屈指の敵キャラ「ジャイクェドロ」、シンボルエンカウントを採用したことで快適性が増したマップ、バランスが大幅に良くなった戦闘。何から何まで進化した因果録は、それまでのファンを満足させただけでなく、新規のファンを獲得するまでになりました。(自分もこのゲームの噂を聞いてメイジシリーズを始めた口です)

一度復活したメイジの勢いは留まることを知らず、秋には更なる続編の体験版が発表されファンは大いに湧きました。そして来たる12月24日…。


リリースされた「メイジの転生録」は、ファン達の想像を遥かに超えた完成度でした。前作よりも飛躍的に演出技術が高まり、メイジシリーズの本来の持ち味を120%発揮しました。戦闘も条件次第で使える特殊コマンドCFTや、ボス戦では相手の弱点を考えて戦う必要のあるギミックが追加されたりと、遊びの面でも進化しています。



物語の舞台は現代へと移り変わり、かつてのシリーズに登場したキャラの転生者達が、自身の運命をかけて戦いを繰り広げます。スピード感のある展開、更に鋭さを増した台詞、物語に華を添えるサブキャラクター達など、こちらもパワーアップしています。




見た目は全体的にスタイリッシュになりながらも、「ヘウッグ!?」など何とも味のある悲鳴や、あまりに豊富な罵倒語など、メイジシリーズ伝統のぶっ飛び具合はまったく鳴りを潜めていません。そして何より前二作の伏線をしっかり回収しており、一作目からプレイし続けていたファン達の胸を熱くさせました。

ここまで読んで「なぜそんなに絶賛するの?イラストやシナリオが良いフリゲはたくさんあるでしょ?」と言う方もいるかもしれません。確かにメイジシリーズは、絵師のプロ並のイラストでもなければ、万人が好むような正統派の物語でもありません。しかしこのゲームの勢いと熱量は、ゲーム製作における大切なことを思い返させてくれます。自分の作品の個性を見出し、徹底的に磨き上げる。プレイする側の事を考え、遊びやすさや新鮮味を追求する。これは簡単に出来ることではありません。創作に真摯に向き合ったからこそ、根強いファンを生み出したのだと思います。実際、ファンの中にはゲームやイラストを創作している方も多いです。

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フリゲファン達を局地的ながらも熱狂に巻き込んだメイジシリーズ。中毒性のあるテキストや進化し続けるゲーム性を魅せつけ、今でもファンを増やし続けています

本作のダウンロード先はこちらから

メイジの悲劇嘆:ダウンロード先(Vector)

メイジの因果録&メイジの転生録:ダウンロード先(VIPRPG紅白2015)

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