2015年6月25日木曜日

RPGの未来はどこへ向かっているか

どうも、ノンジャンル人生です。今回はRPGの未来がどこへ向かっているかについてぼけーっと考えたことを書いてみようと思います。今回はちょっと長いです。


現在は2015年。RPGが絶頂期に至ったのは今から20年前です。PCに海外のRPGが輸入された黎明期から、FCでだれでも遊びやすいように作り直され、SFCでブームは加速しました。その後PSでグラフィックが3D化で世界を驚かせ、PS2では更にハイポリゴン化と、順風満帆な道を歩んできました。

ドラクエFFのスマッシュヒットとともに、一大ムーブメントとしてゲーム業界を牽引していきたRPGですが、いつからか暗雲が立ち込めはじめます。ゲームの進化にともないRPGの製作期間、製作費用がかさみ、採算が取れなくなってゆくのです。

それ以降各社は戦略をそれぞれ転換し、RPGには本流が消滅しました。FFナンバリングタイトルの発売が遅れてゆき、ドラクエナンバリングタイトルがPSハードから任天堂ハードへ移行し、次世代機の新規RPGはXBOX360に発表されました。PS2以降続編が途絶えたタイトルが増え続け、一方携帯機ではリバイバル作品やダンジョンRPGが発売され続けています。PS3には他ハードの移植タイトルが集まり国外RPGの人気も増してゆくも、PS4が発売されたためにソフトによって対応ハードがバラバラになりました。MMOはより一般化しましたが、それでも誰もが遊べるゲームにまでは至っておりません。このように状況がどんどんカオス化していることがよく分かりますね。

こうなった結果、RPG自体昔のような売上や話題性を持つことが出来ず、非常にくすぶった状況にいます。他のジャンルのゲームよりはまだまだ人気を保っている方だと思いますが、100万人いたRPGプレイヤーも今では30万から10万人ほど、減った量も相当多いはずです。しかし、それでも多くの方が面白いRPGを待ち焦がれています。

このまま消えていくのではないかとの心配もありますが、一方で新しい可能性にワクワクすることもあります。

去年大ヒットした「妖怪ウォッチ2」はRPGとしてあまり認識されていないかもしれませんが、ユニークなキャラクターや世界観で成功した好例であると思います。ドラクエやFFだってRPGだからヒットしたわけでははありません。世界観やストーリーが話題となり続けてここまで認知されるようになってきたのです(クロスメディアも成功の理由ですね)。絶頂期までのRPGのイメージが強すぎるので、プレイヤーも「こうでなければならない」と思い込みがちですが、新しいゲームを生み出すための下地としての機能さえすれば、実はいままでのRPGの枠に縛られる必要などないのです。

また、スマホRPGも他ジャンルと合体して成功した例のひとつです。しかし一度確立した「パズドラ」という商法に対し、横のバリエーションが増えるばかりで、進化・改善が見えてこないのが気にかかります。

まったく新しい遊び方という視点で現在世間から注目されているのは、現実とゲームのリンクです。ひとつはヴァーチャル・リアリティによる実際に冒険でしてるように遊ぶ方法ですが、如何せんしばらくは割高な状況が続くと思います。もうひとつはNFCなど現実のフィギュアなどをゲーム機に読み取らせてリンクさせる方法です。こちらは任天堂のamiiboが先にヒットしていますが、RPGにおいても同じようにヒットする可能性を秘めています。今後レベルファイブが「スナックワールド」というゲームを発売する予定ですが、それだけに終わらず他メーカーでもどんどん続いてほしいと思っています。(ただしやり方しだいでは利点の少ない終わらない課金という流れにもなるので、注意深く見守る必要がありますが)

もちろん新しいものが、それまでのRPGプレイヤーをすべて満足させられるとは限りません。彼らは彼らのゲーム哲学があり、取り込むことは一苦労だと思います。これから出るアイデアが小粒なものでは、RPGブームの再燃は難しいでしょう。それでも作り手側が情熱を持てるなら可能性はゼロではありません。RPGではないですが、WiiUの新規IP「スプラトゥーン」が世界で100万本ヒットしたことを考えると、けして不可能とはいえませんね。大変な道ではありますが。

個人的に注目しているメーカーはレベルファイブアトラスです(アトラスはカオス期にコンスタントにRPGを出し続けましたね。ノウハウは他メーカー以上だと思います)。スクエニもE3で「Project SETSUNA」を発表しましたが、こちらはどうなるでしょうか?こういったメーカーと比べるのはおこがましいですが、自分も面白いゲームが作れるよう精進したいですね。

RPGを取り巻く状況は確かに不利になっています。それでもRPGを愛する人が多いことを、今年のE3の「FFⅦ」の発表で実感した人もいるのではないでしょうか。業界事情のしがらみもあるでしょうが、あらゆる作り手は面白いものを求めて欲しいです。最低でも、自分は最高のRPG体験を待っています。


2015年6月11日木曜日

フリゲRPG「Tactical Chronicle」:百年間に渡って組み上げる戦略の物語

7/11更新
なんと!ご縁があって「もぐらゲームス」様に「Tactical Chronicle」の記事を寄稿する事になりました。内容は本記事をブラッシュアップしたもので、読み応えのあるものに仕上がっていると思います!ぜひこちらも合わせて御覧ください!!!

リンク先
大作フリーゲームRPG『Tactical Chronicle』。100年間かけて自分だけの戦術を完成させろ!-もぐらゲームス

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どうも、ノンジャンル人生です。
最近暑いですね。冷たいもの取り過ぎてお腹壊しそうです。



さて、今回取り上げるRPGはカレプリ氏が制作した「Tactical Chronicle」です。このゲーム、自分が今年プレイした中でもかなりツボにはまったゲームです。しかし今のところあまり評判そのものを聞かないので、興味のある人のためにガッツリ紹介したいです。


 Tactical Chronicleの特徴として、

「FFⅫのガンビットに近い、作戦を組み立てるセミオートバトル」
「パーティが加入引退を繰り返しながら世代交代していく」

が挙げられます。ガンビットと聞いて「お?」っと思った方もいると思います。ガンビットはFFⅫが発売された当時、賛否が分かれたシステムです。いままでコマンド式が主流だったコンシューマーRPGに、プログラムに近い自動戦闘を組み込んだ野心的な要素でもあります。リアルタイム化してゆくRPGの戦闘をより快適化してゆくものでしたが、一方でプレイヤーが何もすることがないという批判も生まれました。しかし近年ではガンビットを一人用RPGの戦闘システムの完成形と評価する声もあります。FFの続編ではこのシステムを採用していないため、活用しないのはもったいないなと個人的に思っていました。

 で、このTactical Chronicle。ガンビットに近い「作戦」を採用した上で、さらに作戦のバリエーションが豊富になっています。相手のHPや弱点に合わせて攻撃するのはもちろん、範囲内の敵の数、敵の行動による判定、キャラクターが狙われているか否かなど、状況に合わせた多彩な行動が取れるようになっています。さらに「制御命令」と呼ばれるコマンドを使えば、複数の条件を設定できるのも嬉しいところです。
 より高度化する作戦に合わせ、敵もさまざまな作戦を取るようになっています。序盤こそ単純に殴ってくるだけですが、進めば進むほど相手も状況に合わせた高度な作戦を使ってきます。属性や状態異常の耐性も綿密に設定されており、ダンジョンやボスに合わせてパーティや作戦をいかに考えるかが本作の面白さだと思います。(ちなみに初心者救済処置なのか、爆発するトマトを投げる戦法がなぜか強いです。




 また、本作ではプレイ中の時間経過に合わせて年月がどんどん進んでゆきます。15歳くらいから加入したメンバーも25歳を過ぎると引退するので、ガンガンパーティが入れ替わります。さらに一度死亡したキャラクターは基本的に復活しません。(イメージとしてはナムコのヴィーナスアンドブレイブスに近いです)。しかし拠点となる村そのものにもレベルが存在し、再加入のレベルが引き上げられ、スキルもクラスごとに共有され引き継がれてゆくので無駄になりません。キャラがロストしてもそのまま進めたほうが効率がいい場面も多々あります。びっくりするぐらい使い捨て!

 そしてこのゲーム、相当なボリュームがあり、かつ自由度が高いです。プレイ時間は30~100時間ほど。ゲーム中これをやれということをほとんど指示されないので、圧倒的な数のダンジョンや、討伐モンスター、装備品合成、隠しクラス探しなどの中から、自分で好きに選んで冒険を進められます。フリゲの中では類を見ないほど内容が濃いです。ラスボスを倒しても、まだまだ遊び倒したとはいえません。

 凄まじく濃いゲーム故に、誰にも向いているゲームではありません。グラフィック・シナリオに関しては重きを置いてないので、それを求める人にはまず向いていませんね。またゲームバランスが徹底して作られているので独自のゲームルールも多く、気軽に遊ぶのも向いていないゲームだと思います。作戦考えるのが面倒な人はとりあえずやめたほうがいいです。逆に何も考えずに勝てるRPGは嫌いだという人!作戦を立てることが好きな人!広大な世界を自由に冒険したい人!おまたせしました、あなたのためのゲームです。

 ゲームの欠点もご紹介。戦闘中にちキャラクターがちょくちょくおかしな動きをする事があります。キャラが壁を挟んだ敵をターゲットにして画面外に走り去ってどこいくねーんってなったり、マップの角にひっかかって「テンション上がってきた」状態になる時があります(イチローのアレ)。逃げる最中にこれでロストしたキャラも…。また、今作の作戦はガンビットと違いコマンドがないため(クリックのみ)、臨機応変な動きがしづらいのも評価が別れるところです。(トマトとか一部の強力な技は…どうなんだろう?使わないほうが最後まで楽しめたが…。作者様が修正するか否か様子見)
 あらゆる面でガチで作られているため、埋もれるにはあまりにもったいないゲームだと思います。百年以上渡って作戦を考えてゆく楽しさは、他のゲームでは味わえません。興味があれば今すぐ始めましょう!100年に渡る歴史を100人の仲間とともに冒険する旅が、あなたを待っています。

ダウンロード先
ふりーむ!Tactical Chronicle

黄色い工場:Tactical Chronicle紹介ページ(作者様サイト)

(にしてもいったいどうやってこのゲーム作ったんでしょうね?自作のプログラム、自作のグラフィック、メニュー、作戦、アイテム、クラス、モンスター…気が遠くなりそうです)

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おまけ:個人的にお世話になったクラス
・戦士→守護
本作の盾役。いないとまともにパーティが機能しないほど重要。守護が加入したら戦士完全にいらない子になっちゃった…
・格闘家
中盤の主力。消費MPの少ない割に使い勝手のいい削岩撃と真空波動撃のおかげで、やたら冒険がはかどった。終盤は火力不足かな?
・弓騎兵
フォースディメンション装備していると低MPで必中クリティカルを連発する自走砲台と化す。鬼火力。
・忍者
状態異常が強い本作。黒魔術師もいいけど、超速で麻痺散布する忍者にビビった。恐ろしい子。



追記:スクショ見たら白魔術師が敵に命のキノコ使用してたから2枚目差し替え。3枚目のログに名残があるね!これが典型的な作戦ミスだよ!