2015年3月21日土曜日

ターン制RPGの戦術とランダム要素について

気づいた!このブログに書いてあること、全然ゆるくない!


続きです。

前回ではターン制RPGの戦術は進歩していないと書き込みました。しかし裏を返せば、RPGの戦闘はまだまだ面白くなる余地があるのです。


戦術を語る前に、まずは戦術の定義から書いてみます。
戦術とは勝つための具体的な方法のことです*1。類義語として戦略というものがありますが、こちらは勝つための総合的・長期的な計略のことを指します*2。

ターン制RPGにおいてそれぞれがどこに当てはまるかというと、

ターンが回ってきた時にどういった行動を取るのか決めることが戦術
戦闘前に装備・スキル・パーティ編成などを決めることが戦略

に当たります。

ちなみにRPGの戦略は、ハードの進化とともに様々な発展をしました。例えばジョブシステム、スキルツリーなどはプレイヤーの好みに合わせて自由に考えることができ、育成こそRPGの醍醐味だという人も多いでしょう。

それに比べ、なかなか発展できなかった戦術。前回では基本的な戦術を紹介しました。しかしこれが生かされずに、実際やっていることは「殴って回復する」だけのケースはたくさんあります。この状況を生み出している原因のひとつに「戦闘におけるランダム要素」があります。


多くの敵キャラクターの行動にはこんな設定がされています。

1.自分が使用できる技リストの中から、次の行動を一定確率で選択する
2.プレーヤーが操るキャラクターの中から、行動対象を一定確率で選択する
3.選択した行動は、一定確率で成功する

こうすることで、敵キャラは様々な攻撃を行います。技数を増やすほど敵の行動バリエーションが増え、敵キャラクターの個性を演出するのにひと役買っています。

敵がいろいろな行動をしてくるため、一見すると戦術の幅を広げているランダム要素ですが、これには大きな落とし穴があります。相手が何をしてくるかが分散すると、ターンごとの駆け引きの必要がなくなってしまうのです。

例えば沈黙の魔法を使ってくるモンスターがいるとします。沈黙状態になった味方キャラは魔法が使えません。回復魔法を使うキャラや主力攻撃魔法を使うキャラが沈黙状態になったら、かなりの痛手のはずです。しかし、実際のところそのような状況になる確率は低いです。なぜかと言うと、

沈黙の魔法を使う確率&痛手になるキャラが狙われる確率&魔法が成功する確率

上記のすべて揃わないと効果が発動しないからです。

ゲームを面白くするには、駆け引きが必要です。この行動は有効かどうか・相手にどう対策を取ればいいかを考えることは、戦闘に緊張感と達成感を与えてくれます。しかし次にしてくる行動や対象が分散すると、駆け引きが行われる前に戦闘が終了する可能性が高まります。結局そういった行動は無視して殴るだけのケースが跡を絶たないのです。

プレイヤーがいかに自分で戦術を考え、単調なプレイにならないようにするためには、敵の無駄な行動をなくし、効果的な行動を使用してくる確率をうまく調整してゆく必要があります。

だったら、確率だけをいじればいいのかというと、それにも問題があります。なぜなら確率はあくまでも目安であり、信頼できないものだからです。20%に設定した行動は、本当に5回に1回発動するかというと、実際はそんなことはないです。5回のうち0回だったり、3回だったりすることは皆さんもよく体験していると思います。

かといって、敵の行動をターンごとにガチガチに決めてしまうと、パターンがわかってしまうためゲームを単調にしてしまいます。このバランスは、本当に難しいのです。


で、戦術とランダム要素の問題に真っ向から挑んだRPGがありました。
フリゲ短編RPGの傑作「ふしぎの城のヘレン」です。
次回はこのゲームを通して、戦術の進化の先について書こうと思います。



・・・・てか、今回で話がまとまりませんでした。ゆるして。



追記:現在のコンシューマーのRPGに戦術がないということではありません。RPG界をけん引するスクエニとアトラスは、不遇だった行動(例えば盾役やステータス異常の有効性)を見直すことで、プレイヤーに様々な戦術の必要性を痛感させてきました。むしろそういった面も含めて常に考えてきたからこそ、生き残ったのかもしれません。





*1参照:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%88%A6%E8%A1%93-88365
*2参照:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E6%88%A6%E7%95%A5-89017

ターン制RPGの問題について

※タイトル最初のに戻しました。読み返してみたら、やっぱりこっちのほうがしっくりきます。



どうも、ノンジャンル人生です。
ちょっとRPGについて書きたいことが出来ました。タイトル通り、「ターン制RPGの問題について」です。


ターン制RPGとは、ターン毎に行動選択を繰り返して、先に相手を全滅したほうが勝ちという戦闘スタイルを持ったRPGです。この戦闘を採用したもので日本で最も有名なものはドラゴンクエストですが、RPGの古典ウィザードリィの段階ですでに使われています。ドラクエ後も様々なソフトで採用され、現在までずっと使われていました。一方で、ゲームハードの進化とともに、時代遅れのシステムの象徴と言われる節もあります。

ひとつはグラフィックとのちぐはぐさ。キャラクターの見た目がリアルになればなるほど、代わりばんこに殴っていく様子に違和感が出てくるようになりました。現実の戦闘はそんな余裕はないですし、一方的に攻撃したりされたりすることが普通です。実際、海外の大作RPGの戦闘はアクションRPG化しています。

もうひとつは戦術の停滞。RPG全盛期のSFCからPS2までにかけて、グラフィックの進化に比べ、ターン制RPGの戦術的な進歩はあまりありませんでした。

RPG戦闘での基本戦術は以下のとおりです。

HPが少ない相手を強力な技で攻撃
自分のHPが減ったら回復
ステータス上昇の支援をかけ続ける
有効であれば相手にステータス異常をかける
MPやアイテムがなくならないよう管理

シンプルで分かりやすく理にかなってます。多くのRPGが独自のシステムを持っていましたが、ここに関してはほとんど差がありません。

しかし問題なのが、それ以上の戦術性が発展しなかったことです。ほとんどのゲームの戦闘のパターンが同じなため、新しい駆け引きが生まれませんでした(もちろんすべてのゲームがそうではありませんが)。究極的に言えば強力な攻撃技と回復さえあればなんとかなり、補給が尽きなければ勝てます。他の行動のウェイトが低くなってしまい、ステータス異常に至っては、最初から最後まで使わなくても勝てるという始末です。こうなってしまうと戦術もクソもありません。

とくに爽快感のあるアクション要素の少ないターン制RPGでは、多くの戦闘はストレス要素でしかありませんでした。ボタン連打で勝ててしまい、ただ時間が過ぎることを待たなくてはいけないからです。

こうなっていった背景には、RPGがシナリオ・グラフィック・独自システムに重点が置かれてしまい、戦術がないがしろにされたことがあります。もちろん、コンシューマーは売上を伸ばす必要があり、ユーザーに好まれる要素を強化していくため仕方ないことなのですが…。


さて、これを踏まえ、ターン制RPGの戦闘はどう進化するべきなのか?
後半へと続きます。


補足:こう書くとRPGが面白みのない進化をしてきたと言っているようですが、「育成」の面では相当な進化しています。ただ、今回は戦術メインの話なのでスルーします。

2015年3月17日火曜日

シナリオ・脚本の基礎を学ぶ:書くために押さえておくべき技術とは?

どうも、ノンジャンル人生です。
ブログに引っ越しと同時期に、自宅改修のための引っ越しをしました。
つかれました。


えーと、今日はシナリオ・脚本の話でもしましょうか。
去年の10月くらいから、シナリオ・脚本の書籍読みまくっています。物語を作りたい欲求とは裏腹に、筆がまるっきり進まなかったからです。それで頭を切り替え、知識を得ることにしました。


とは言うものの、本屋にはシナリオ関連書籍はあまり置いてなく、かといって内容を確認できない本をネットで注文するのも怖いので(1冊の単価が高めなんで…)、図書館にあった本を片っ端から借りました。

結果、いろいろな知識を得ることができました。特に目からウロコだったことは、シナリオは「才能」ではなく「技術」によって書くものだということです。読んだ書籍の多くでは、シナリオは才能があればかけることを否定しています。訓練、または知識によって習得していくものだと書かれているのです。

シナリオの技術書というものは、だいたい2種類に分かれています。ひとつは、どのようにドラマを作るかについて書かれた本。もうひとつは、シナリオ全体の構成をどう作るかについて書かれた本。片方に特化しているものもあれば、両方について書かれているものもあります。

まず、ドラマについて。シナリオで最も重要なことは、「葛藤」です。これはほぼすべての本で書かれていました。つまり、物語の主人公や登場人物に障害が立ちふさがり、それと対立したり解決しようとすることが、話を進行し、面白くする最大の要素なのです。なんの問題もなく主人公に目的を達成させては、物語が平坦になってしまいます。読み手や観客をワクワクドキドキさせるためには、障害による抑圧と、決着による開放感が必要です。書籍では、葛藤を起こすためにいかに登場人を動かすかが書かれています。

次に構成。シナリオは、起承転結、または三部構成となっています。このふたつ、ほぼ一緒のものです。
展開としては、
①主人公の現在の状況が描かれる。いつのどこが舞台なのか、どんな人々がまわりにいるのか、主人公はどんな境遇にあるのかが分かる。
②主人公に事件が起きる。これによって問題が発生し、主人公の取り巻く状況が大きく変わる。
③主人公は問題を解決するため行動し、決着がつく。

以上です。②の部分で主人公は葛藤を繰り返し、クライマックスに向かって目的達成の欲求を深めてゆきます。そして決着がつくことで、観客は余韻に浸ることができるのです。

簡単まとめるとこんな感じでしょうか。あくまでも読んだ一部をピックアップして自分用にまとめたものなので、シナリオ・脚本の勉強をし始める方は、ぜひ自分で本を読むことをオススメします。

個人的に役に立った書籍は
「シナリオの基礎技術」
映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術

どちらも有名な書籍ですが、入門編ということでわかりやすいです。個人的にはシド・フィールドの方を先に読むと、シナリオの構造の全体が俯瞰でき、シナリオの基礎技術を読んだときに深く理解できました。

他にも学んだことは多く、紹介しきれませんね。
今後も色々書いていこうと思うので、よろしくお願いします。





2015年3月16日月曜日

引越ししました(・ω<)~**

また新しくブログを作りました。

初めての方に紹介すると、ここは主にゲーム制作・投稿をするブログです。
他にも、シナリオ・脚本の話も投稿予定です。

とてもゆるい内容となっています。
たまに真面目ですが、基本ゆるいです。
どのくらいゆるいかというとこのくらいです↓

 
 

旧ブログでは、「ドンゴラクエスト」というフリーゲームのRPGを作りました。
全編パロディー、一年前のニコニコの自作ゲームフェスに投稿したゲームです。
7時間でクリア予定という、短編なのか中編なのかわからないゲームです。

ご興味のある方はこちらから飛んでください。
旧ブログのゲーム紹介記事からダウンロードできます。
自分でやるのめんどい方は、ニコニコ動画に実況動画もありますのでそちらもどうぞ。
(KADAさまの実況プレイ動画です)

ちなみに制作当時PCがぶっ壊れた影響で、更新不可能になっています。
誤字脱字が非常に多いので、そのへん気にならない方はどうぞ。
つまんなかったらごめんなさい。


どうもよろしくお願いします。