2016年11月27日日曜日

不朽の名作にして衝撃作『ロマンシングサ・ガ』を始めた。

どうも、ノンジャンル人生です。自身の考えのまとめはブログに書いておこうと思っているのに、最近はツイッターばかりなので、一度考えを改めたいところです。

さて、今週月曜日New3DSのバーチャルコンソールに、突如7タイトルが追加されました。どうやら、スーパーファミコンの誕生日記念らしいです。その中に、スーパーファミコンの名作『ロマンシングサ・ガ』『タクティクスオウガ』がありました。…勿論速攻で買いました。

タクティクスオウガは現在未プレイなのでまだ保留していますが、ロマサガは現在プレイを進めており、だいたい半分くらいは進めたかな?というくらいです。ものの見事にハマったので、今回はこちらを紹介したいと思います。(ちなみに私はリメイク作をプレイ済みです)

◆ロマンシングサ・ガとはどんなゲームなのか


『ロマンシングサ・ガ』は旧スクウェアがSFCに出したRPGであり、一般的に知られるフリーシナリオの原点です(それ以前は不明・・・PCゲー?)。GBで出ていたサガシリーズとは異なり、8人の主人公の中からひとり選び、自由に冒険することが出来るのが特徴です。冒険で誰を仲間にし、どんな順序でダンジョンやイベントをこなすかはプレイヤーに委ねられています。

戦闘はシンボルエンカウント式で、サイドビューかつ成長も戦闘後に能力がランダムで上がるというもの。素早さの値で行動順が決まるオーソドックスなターン制バトルですが、その他の要素があまりにも規格外で、ドラクエやFFが作り出したRPGの「あたりまえ」に囚われない、当時にとって全く新しいルールを打ち出しました。

一方で戦闘を繰り返す度に敵が強くなり、育成に失敗すると敵が強くなりすぎてゲームが詰むことがあります。イベント発生条件も戦闘回数で決まっており、序盤に発生したシナリオが、いつの間にか消えていたなんてこともざらです。これが理由で、「ロマサガは難しいゲーム」であると言われています。これはこの後のシリーズの伝統になりますね。

それだけでなく、ロマサガにはゲームバランスのピーキーさとバグの多さという問題もあります。豊富なわりに役に立たない「術」、一度外すと累積したレベルがリセットされる武器(代わりに複数持てます)、ほぼノーヒントに近いほど見つけづらいイベントフラグの数々、あまりにも多すぎ&追尾するせいで狭い道を確実に塞ぐモンスターシンボル、重要アイテムなのに装備効果がまったく発揮されないものがあるデステニィストーンのバグなどなど・・・。

そういったRPG慣れした人でもやりにくい要素が多々あるにも関わらず、強力なファンが付いたのは何故なのか。ずっと疑問に思っていましたが、実際触ることで気付くことがありました。このゲーム、中毒性が異様に強いのです。

◆プレイヤーの頭を本気で殴ってくるくせの強い要素たち


今年Twitterでよく耳にした言葉が「パワーワード」です。誰かが放ったインパクトのある言葉がSNS上で拡散され、人々を動揺させつつも次第に流行になっていく現象を何度か目撃しました。サガシリーズはその傾向が他のRPGより遥かに強く、もちろんロマサガもシーンも相まって衝撃的なレベルです。

殺しても うばいとる

な、なにをする、きさまらー!

金!金!金!騎士としてはずかしくないのか!

てめえが つよすぎるんだよ 大女め!

ギャー トカゲだー さよなら

…もうね、本当に凄いレベルですよ。一応リメイク作では多少マイルドになっているものもありますが、

見つけたよ。誰にも渡さないよ。これで大金持ちだよ!アッ、アッー!(崖の上から転落)

など本家を凌ぐものもあります。

子供の頃は、よりシリアスで格好良いものが正義なように感じていましたが、ロマサガはそう言ったものに囚われず、「ゲームの世界の言葉はより自由でいいんだよ」と教えてくれているように思えます。現にそういったインパクトのある言葉があることが楽しめている要因なんですよね。

音楽もまた、本作を印象付ける理由の1つ。伊藤賢治氏が手がけるドラマチックな戦闘BGMは、1000回近くこなす必要がある戦闘へのモチベーションを高めてくれます。そして効果音も聞いていて気持ちよいものが多く、戦いの中毒性を更に高めてくれます。ロマサガのキツイ部分も許してしまえるのは、やっぱり音の影響が大きいと思います。あ、あと世界一カッコイイ下水道とよばれるBGMも人気の理由のひとつですねw

◆タイトルが冠する「ロマンシング」の意味


そして本作の一番の魅力はこのゲームの持つロマンであると思います。プレイヤーの知らないところで世界が動いており、仲間にならなかった者達もそれぞれ冒険しています。サルーイン復活まで世界で起こることを、プレイヤーが選んだ主人公を通して目撃することは、与えられたストーリーを追うタイプのRPGではなかなか体験できません。そこまでの道のりも手取り足取り教えてもらうのでもなく、プレイヤーを徹底的に突き放します。だからこそどうすれば攻略できるのか徹底的に考えていく必要があるのです。

これこそ、ロマンを現在進行形で追っていく「ロマンシング」という言葉の意味だと私は思います。いいですよね、このタイトル。

まぁここまで言っていますが、今回は最初から攻略情報をあてにしていたりします(汗)。あまりにも複雑なフラグとバグ地雷がめっちゃあるんで許してくれ…。2は頑張って自力で進めれたらいいな(遠い目)。

それはさておき、本作がゲーム界隈に残した爪痕もめちゃくちゃでかいです。リメイク版の『ロマンシングサ・ガ ミンストレルソング』はロマサガ1の不評・未完成な要素をほとんどカバーした上で、それまでのサガシリーズの要素を取り入れた集大成となりました。シリーズ自体もスクウェアの看板タイトルとなりましたが、サガSG発表まで長い空白があったのも事実。どんなものが出来るのか、多くの人達が見守っています。果たして…?

フリゲ界隈でもサガの影響は特段大きいです。もぐらゲームスさんに記事を寄稿した『Time Flow』や、星をみるひととの間の子『ロマンシングステラバイザー』、VIPRPGでも『リュート』『ヨロズ英雄譚』(こちらはサガフロ色強め)を始め沢山のサガオマージュ作があります。サガに影響を受けたと公言する作者さんも沢山いますし、もちろん自分だってそうです。ゲームを作らない方でも、サガを愛するファンは沢山います。

ということで後半戦もガッツリ挑みたいと思います。VCは明日また6作来るそうなので、ロマサガ2・3が来るといいな…。ではでは。

2016年11月11日金曜日

『箱庭えくすぷろーら』の記事を寄稿しました&あとがき


どうも、ノンジャンル人生です。ブログ強化期間と言いながら、全然書いていないの、これいかに。

先日もぐらゲームス様にアクションRPG 『箱庭えくすぷろーら』の記事を寄稿しました。今回も結構大作記事になりましたね。反応もかなり良いようで、有り難い限りです。


さて、いつも通りあとがきです。『箱庭えくすぷろーら』は、完成版(Ver1.5以上)よりも前の段階で知り、そのクオリティーに度肝を抜かれました。以前のバージョンだと主人公の移動速度が今よりも遅かったので、様々な意見を考慮した上で、今のバランスになったのだと思っています。

箱庭えくすぷろーらの魅力は何と言ってもドットアニメーションですが、本作の上手いところは、そのビジュアルを最大限に活かすゲームデザインをしているところです。本作は四角い空間の連結によって街やダンジョンを構成してあります。マップが画面内に収まる範囲は狭く、その中で敵が押し寄せるので、最初は戸惑うかもしれません。一見するとオープンワールドのような現在のアクションの主流と逆行しているように思えます。しかし見える範囲を狭めることで、動きのあるグラフィックひとつひとつへの注目度を上げ、シーンをより印象深いものに仕上げています。


また、狭い範囲だからこそダイナミックな動きをする必要があり、戦闘の度にキャラクターの楽しげなアクションを何度も見ることになります。実際に自分のプレイではジャンプを多用し、ヒットアンドアウェイを繰り返して戦うことが多かったです。

広いマップは、制作者の労力の割にグラフィックを見てもらえないことが多いので、本作のようなビジュアルの作り方は非常にバランスが良く感じますね。


グラフィックだけでなく、ユーモア溢れる世界観もまた魅力的。パロディこそ多いですが、そのやり取りは他のゲームとは似ていない独特さがあります。住人ひとりひとりがほんとうにのびのびと生きており、遊んでいて心地よいです。泣ける要素はないはずなのに、BGMも相まって冒険していてグッと来てしまうこともありました。ただし、下ネタ・エロ要素は自重しないスタイルなので、苦手な方は注意してくださいね。

最後に個人的に好きな場面を紹介します。ゲームで嫌われると住人たちの台詞が変わるのですが、それがちょっと可愛い。こういったところに本作らしさをとても感じますね。

今回はここまで。それではまた。