エイプリルフールはツイッターで楽しく暴れました。
さて、今回はコンシューマのRPG『ゼノブレイド』のお話です。
去年の秋口にNewニンテンドー3DSを購入したものの、途中いろいろプレイするゲームを増やしすぎた為、長い間プレイを中断していました。が、先日遂にクリアしました。もう積みゲーは懲り懲りですね…(まだ残っている積みゲーはの山を見ながら)。
ゼノブレイドは、私がゲームをあまり遊ばなくなっていた時期に発売され、RPG界隈では「名作」と評価されていたゲームです。しかし未所持の前世代機であるwiiであること、元々市場にあまり出回らないゲームであることがネックとなり、購入を控えていました。しかし、フィールドを駆け巡る動画は既に見て、「いつかは必ずプレイしたい!」と思っておりました。
そんなこんなしている内に続編と移植版が発表され、遅れてなんとかプレイすることが出来ました。移植再現度はかなり高いらしいなので、移植したモンスターゲームズにはとても感謝です(ちなみに同社の移植したスパドンリターンズもプレイしました)。もちろん、モノリスソフトにも。
本作のレビューは世にはたくさんあるので、自分が書いたところで今更なのかもしれません。それでもこの文章を書きたい理由は、このゲームで味わった感情をどうしても自分の言葉で表現してたかったからです。ちょっと長めですが、今回もお付き合いください。
前回:『ゼノブレイド』と『スカイリム』を同時にプレイしてみての感想:その1
◆巨神と機神の骸の上で
ゼノブレイドの物語の舞台は、「巨神界」「機神界」と呼ばれる世界。この世界は、かつて巨神と機神というふたつの巨大な神が戦った後、朽ちた骸の上に生まれた種族達が文明を築いたものです。
人間に近い種族「ホムス」もそのひとつ。しかし彼らは「機神界」より侵攻してきた機神兵達により、いともたやすく蹂躙されてしまいます。ホムスが唯一機神兵に抵抗できた力は、「モナド」と呼ばれる伝説の剣。モナドはかつて巨神が振るっていたと噂される武器で、英雄ダンバンによって圧倒的な力を発揮し、巨神兵達を一時的に撃退しました。
主人公であるホムスの青年「シュルク」はモナドの研究員ですが、彼の住むコロニー9が機神兵の強襲を受けます。機神兵に抵抗するため彼はモナドを手に取りますが、その際これから先に起こる「未来」が見えるようになってしまいます。彼はこの襲撃での事件をきっかけに、友人「ライン」とともに、ある機神兵を追う事を決意します。やがて彼らの旅は、モナドを巡る壮大な運命へと飲み込まれてゆくのです。
◆住まう者達の息吹が聞こえる、美しいフィールド
本作の最大の特徴は、そのユニークな世界観の再現度にあります。巨神と機神の上に生き物たちが暮らしているというだけでも他のRPGとは一線を画していますが、本作はそれだけではとどまりません。遠景に見える巨大な剣や腕、果ては反対側にある機神界にまで、実際に足を運ぶことが出来るのです。各マップも広く高低差があり、探索する度に新しい発見が見えてきます。特に、初めて巨神脚(ガウル平原)に足を運んだ際は、その広さと美しさに感動を覚えました。
マップはただ広いだけでなく、大小種族様々なモンスターが生息していたり、秘境と呼ばれる隠しマップがあったりと、プレイヤーを飽きさせない作りになっています。また、「ランドマーク」と呼ばれる中間地点に瞬時にワープ(スキップトラベル)できるため、目的地に行くまでの無駄な時間を少なくした快適な作りになっています。
そしてそんなマップの探索をよりのめり込ませるのが、「クエスト」と「ユニークモンスター」。クエストはおなじみのもので、アイテム集めやモンスターの撃退のためマップを駆け巡ることになります。ユニークモンスターはマップの各地に点在する、ストーリーとは関係のないボス敵です。レア宝箱を確実に落とすので積極的に倒していきたいですが、レベルが高く太刀打ち出来ないくらい強い敵もいます。普通に探索している時に因縁をつけられると、一瞬の内にパーティが壊滅してしまいますが、それも今作の醍醐味のひとつです(ちなみに負けた時はランドマークから再スタートになります)。
◆「ビジョン」を駆使して、敗北の未来を変えろ!
ゼノブレイドのもうひとつの大きな特徴は、独自のルールを持った戦闘です。本作はオートアタックを行うタイプのシームレスバトルで、敵に接近したり、逆にことらから攻撃を仕掛けることで戦いが始まります。オートアタックだけでなく、一体時間毎に使えるアーツ(特殊技)を使って戦います。
ここまでだけならFFⅫやオンラインRPGなどと一緒ですが、本作において重要なカギを握るのが「未来視(ビジョン)」です。仲間が戦闘不能になる可能性がある時、モナドの力で食らう技・狙われる味方・技が来るまでの残り時間が表示されます。この時に回復や防御系アーツを使うと未来が変化し、戦闘不能の危機を回避する事ができるのです。特にシュルクは未来を変えることに特化したモナドアーツを使えるので、パーティの要になります。
そのため戦闘は独特な緊張感があり、いかに窮地を脱するか考えて戦うかが重要です。さらにユニークモンスター戦では専用BGM「名を冠する者たち」が流れ、激戦を熱く盛り上げてくれます。ユニークモンスターとの戦いにハマりすぎて、本編そっちのけなんてこともしばしば・・・。
◆莫大過ぎる要素ゆえの代償
非常にスケール感が大きいRPG、ゼノブレイド。マップもクエストもアイテムもユニークモンスターも莫大な量を誇ります。しかしそれは同時に、本作の最大の欠点でもあるのです。例えば敵やクエストから大量のアイテムや武器を入手できますが、所持数には限度があります。終盤アイテム欄が埋まると、ひとつひとつ売らなければいけなくなるなど、かなりの手間がかかります。ソート機能なども今ひとつです。
また、クエストを依頼する名前付きの住人は毎日生活をしているため、決まった場所にいないことがあります。彼らを探す時間が、依頼品収集に掛けた時間を超えるなんてことも。特に皇都アカモートはなぜかランドマーク数が少なく、時限式のクエストも多いので億劫になりがち。中盤のサイハテ村から皇都までは中だるみしやすいので、初プレイ時に面倒になったときはクエストを無視して進むことを推奨します。(アイテムが過剰に手に入るので、中盤のクエストは旨味が少ない・・・)
すべてをやり込むと100時間を簡単に超えますが、ストーリー自体のスピード感を損ねがちなので、とにかく無理をしないことが楽しむ秘訣です。
◆JRPGの精神を受け継いだもの
前回の記事でゼノブレイドとスカイリムの比較をしました。そこで語った通り、国内/国外のRPGの進化の行く先は、全く違う方向を向いています。プレイヤーの選択に重点を置く国外と違い、シナリオに沿って順当に進行していくのが国内製RPGの特徴です。PS2以降有名シリーズの打ち切りが相次ぎましたが、ゼノブレイドは国内製RPGの良い所を受け継ぎ、このゲームでしか成し得ないことをしっかりと作り上げています。販売規模こそ大きくはありませんが、現在のコンシューマRPGが目指すべきひとつの指針を示したのではないかと思います。
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さて、堅いレビュー話はここまでにして、率直な感想をつらつら書いてゆきます。やはりゼノブレイドで最も魅力的だったのはマップデザインです。「ガウル平原」「マクナ大瀑布」「ヴァルク雪山の夜」・・・美しい光景を上げたらきりがありません。中でも「落ちた腕」はまるで時が止まったようにたたずみ、劇的展開が続いた後の心に染み渡りました。自分が今までRPG内で訪れたマップの中で、一番好きな場所かもしれません。(ちなみに他のものは、聖剣ROMのドミナの街などです)
ストーリーは、前半こそベタな内容ですが(未来視で人を救えるか救えないかが中心です)、後半になるとどうして神々は戦ったのか、モナドとは一体何なのかの謎を追ってゆき、ロマンに溢れて好みな内容でした。終盤の圧倒的展開も、ぜひ一度始めたプレイヤーには見て欲しいですね。
最近コンシューマの長編RPGを遊ぶ機会がめっきり減っていましたが、ゼノブレイドをクリアして、かつての冒険が蘇ってきました。最近はフリゲばかりでしたが、コンシューマもやはりいいものです。個人製作者では作れないであろう圧倒的な世界が、そこにはあります(一方フリゲもコンシューマには出来ないことができるため、フリゲはフリゲの魅力を保ち続けると思います)。
本当に良い冒険ができました。クリア後はそれまでの旅路が頭から離れませんでした。これは多くのプレイヤーが言っていますが、RPGで育った人はプレイした方がいいです。SFC期に少年たちが空想していた世界が、このゲームでは再現されています。遥か険しい旅路ですが、それを超える感動があなたを待っているはずです。
ゼノブレイド Newニンテンドー3DS版 公式サイト
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