2015年8月26日水曜日

名作フリゲアクション『洞窟物語』。可愛く切ないだけじゃない!緻密に構成された2Dアクションの到達点。

どうもノンジャンル人生です。
ヴァーレントゥーガ系統を一気にプレイしたらアクションもやりたくなってしまいました^^;。ということで、今回はフリゲ界の名作『洞窟物語』をプレイしました。以前は隠しダンジョンで挫折しましたが、最近買ったUSBゲームパッドを手に再挑戦!結果見事「トゥルーエンド」まで達成しました!!多くの人に語られた名作ですが、自分の言葉で紹介したいと思います。


洞窟物語は「開発室pixel」によって2004年に発表された2Dアクション。2004年といえば『モンハン』が出た年なので、時代は3Dアクション真っ盛りでした。しかし『洞窟物語』は当時からしてみても非常にレトロな作りになっています。いわゆる「ドット絵」のグラフィック、ピコピコサウンド、操作の簡単さなど、ファミコン期に先祖返りしたような作りです。

しかしそれはあくまでも「ぱっと見」の話。短いながら完成度の高いシナリオ、プレイヤーを少しずつ上達させるステージ配置、使い分けが楽しい豊富な武器の種類、長時間プレイしてもまったく飽きないサウンド、そしてたどり着いたプレイヤーを地獄に“適応”させる「血塗られた聖域」など、恐ろしいほどの魅力が詰まっています。

物語は、見知らぬ洞窟に倒れていた記憶喪失の主人公が、うさぎのような種族「ミミガー」たちと出会い、ミミガーをさらう謎の男「ドクター」の野望に立ち向かってゆくというお話です。キャラクターたちのほのぼのした姿とは裏腹に悲劇的な展開もあり、かなり波乱に満ちています。エンディングもグッドエンド・バッドエンド・トゥルーエンドの三種類があり、どれも印象深い内容です。バッドエンド物悲しさを一度でも見れば必ずグッドエンドを見たくなりますし、グッドエンドを見ると今度は「ある人物」を助けるためにトゥルーを見たくなります。

しかしこのトゥルーエンド、達成するための難易度が恐ろしく高いのが特徴です。今作は初心者でも遊びやすく作られていますが、隠しダンジョン「血塗られた聖域」はまったくの別物。今までの冒険で培った技術を持ってしても、簡単には突破できません。張り巡らせれたトゲトラップ、大量出現する天使の敵キャラ、前座+ラスボス地獄の5連戦。唖然とするほどの難易度にさじを投げた方はたくさんいるでしょう。自分もそのひとりでした。

しかし今回のプレイでUSBゲームパッドを使用したことで『洞窟物語』と、この「聖域」がいかに凄いかがわかりました。先ほど「たどり着いたプレイヤーを地獄に“適応”させる」と書きましたが、実はこのダンジョン、意外なほどに“穴”が多いのです。天使が大量出現しても、安全地帯を見つければしっかりと迎撃できます。敵が多い分アイテムの出現量も多いですし、時間を気にしなければ仕掛けを1つずつ対処することが出来ます。そのため何度もプレイしていると、いつの間にかこのダンジョンを突破する方法を確立できるように構成されているのです。

説明順が逆になりましたが、『洞窟物語』本編も仕掛けや武器を順当に出すことで、プレイヤーに少しずつ学ばせながら進めさせる仕組みになっています。そのステージで手に入れた武器の使い勝手がいいマップを用意した後、ボスでその応用をさせたりと作りがきめ細かいです。ただ難易度を上げていくのではなく、難易度に適応させるしかけこそ『洞窟物語』の真髄なのでしょう。その集大成が「血塗られた聖域」なのです(それでも誰もが必ず突破できるほど楽ではありませんが…)。

『洞窟物語』は5年もの制作期間を経て完成しました。その後は世界に向けて配信された上、大ヒットを記録しています。またコンシューマ機にも移植されました。そして10年以上たった今でも多くの方に愛されています。例えこの先更に10年が経ったとしても愛され続けると思います。それはこのゲームが他の2Dアクションには辿りつけていない「到達点」にいるからであると思います。