最近は暑いですね。5月だとは思えない気温です。そのうち雨の季節で滅入るかもしれませんが、できるだけ楽しいことをしたいですね。
で、このたびフリーゲームRPG「イストワール」をクリアしました!「ネフェシエル」、「魔王物語物語」を立て続けにプレイして、これをやらないのはもったいない!という気持ちになったのでプレイした次第です。いや~、お疲れさまでした。古参のフリゲRPGユーザーなら知っていると思いますが、このイストワールはネフェシエルの姉妹作であり、魔王物語物語に大きな影響を与えたゲームです。フリゲダンジョン探索型RPG三部作(勝手に命名)とされる作品の中でも、最もボリュームのある作品ではないでしょうか?
イストワールの紹介はまた後日行うとして、今回はこの三作の魅力を紹介しようと思います。名作とは名高くても、古い作品・難しい作品と聞いて手を出していない人もいると思います。そんな人向けにゲーム内容を解き明かしつつ、その背景を考察しようと思います。ちょっと長文になるかもしれませんが、気楽にお付き合いくださいm(_ _)m
簡単な説明をすると、これらのRPG達は普通のRPGとは遊び方が違います。例えばドラクエFFなどの有名作だと、
まず街などの拠点で装備を整える
↓
ストーリーやクエストで指示されたダンジョンヘ向かう
↓
敵を蹴散らして目的を達成する
↓
次の目的が指示される
↓
繰り返し・・・
という感じだと思います。しかし、イストワールなどではこれらのルール通りにプレイすると大抵挫折します。まず根本的に雑魚モンスターが強いのです。基本的にダメージが大きいので手当たり次第戦闘を繰り返すと回復手段が尽きるようなバランスになっています。そのためプレイヤーにはいかに敵との戦闘を避けるかが要求されます。これらのゲームではシンボルエンカウントが採用されており、マップ上の敵の動きを見切れれば避けられるようになります。ダンジョンには他にもたくさんのトラップが仕掛けてあり、プレイヤーが油断すれば簡単にゲームオーバーになる作りになっています。
ここまでの話だけ聞くと、「そんな難しいダンジョン潜って何が楽しいの」って声が聞こえてきそうです。しかし、ダンジョンには一般的なRPGとは比べ物にならないくらい大量の装備品が設置され、レベルアップのステータスよりも装備の能力上昇値が優遇されています。また、属性や状態異常耐性が綿密に設定されているので、大量の装備にそれぞれ重要な価値があります。結果、危険を冒してダンジョンに潜れば潜るほどプレイヤーキャラが強化されてゆくのです。更にダンジョンにはたくさんの隠し部屋があり、それらを発見した時の嬉しさはなかなかのものです。それ故に無謀にもダンジョンに突撃し、ぎりぎりのところで帰ってこれなくなったプレイヤーが後を絶ちません。しかしそれでも再び挑みたくなるほど魅力がこれらのダンジョンにはあります。名作と呼ばれる所以がそこにはあります。(ちなみに魔王物語物語は属性がなく独自の戦闘ルールになっているので、他の二つとは違ったゲームバランスになっています)。
また、自由に進められる物語も魅力のひとつです。三作とも特徴として「あっちを行け」「こっちを行け」という指示は少なく、移動の制限もゆるやかです。そのためプレイヤーが自分でルートを考えて攻略する楽しさがあります。イストワールは三作の中でも特にその傾向が強いですね。
そして物語のもう一つの特徴として「断片的な話をプレイヤーが自ら拾い上げ、考察させる」という面があります。これらの作品では誰かが長々と世界観を語ったりはしません。あらゆる情報は出どころが限られ、断片的に示されます。プレイヤーはそれらを自らの頭で整理していくこととなります。どの作品も世界観が非常に深く、考察すればするほど物語の深みにはまってゆきます。ただし,一般的なRPGのようにゲームを進めさえすれば物語を順当に見れるものと勘違いすると、イベントが少なくてがっかりしてしまうかもしれません。
確かにこれらはとっつきにくいゲームです。誰もが楽しめるゲームではないですし、ルールが分からずにすぐやめた人結構もいると思います。しかしそれでも未だ名作として語り続けられているのには理由があります。それはこれらのゲームが一般的なRPGのカウンターパンチとして存在していたからではないかと私は思うのです。
ネフェシエル発表当時は2002年。PS2でファイナルファンタジーⅩが発売された翌年です。RPGは高グラフィック化し、イベントデモやムービーを多々使った「見せる」物語が流行しました。これらはRPGの人気を更に推し進め、RPGはゲーム界の頂点に君臨していました。しかし一方で、古典的RPGにあった自由な探索や情報収集の要素は鳴りを潜め、映画に近い内容に違和感を感じたプレイヤーもいたはずです(それでもFFⅩは名作ですけどね)。そういったゲーマーが向かった先は、当時まだ一般に普及してなかったインターネットです。マイナーな人が集まって面白いことをする世界であったインターネットで、フリーで遊べるRPGが発表され、普及しているRPGから削ぎ落とされた魅力がそのゲームにあったとしたら。ある意味絶妙なタイミングで発表されたからこそ、これだけ語り継がれたゲームになったのだと思います。(当時の状況はあくまでも予想です。実際ver.2.0以上更新されていることからも、紆余曲折があったのだと思います。ここらへんは古参ユーザーにぜひ聞いてみたいですね)
ネフェシエルが作り出したカウンターパンチはイストワールに、イストワールから魔王物語物語に引き継がれ、現在のフリゲに多大な影響を与えました。インターネットが一般に普及し、実況動画でフリゲが多く注目される今、これらのゲームはフリゲ界に礎を築いた立役者でもあります。(イベントが少なく画面に華がないので、これら自体は実況向けではないですが・・・)。確かに市販のRPGより難しく粗もありますが、ここでしかない体験が確かにあります。フリゲなので合わなかったら辞められるだけの懐の広さもあります。もしも興味が出たら、ぜひ今すぐやり始めましょう。冒険があなたを待っています。
(ちなみに更に歴史を辿ると「禁術と呼ばれる術」というゲームにたどり着くそうですが、如何せんRPGツクール95と古すぎるのが難点・・・)
次回、イストワールに続く・・・
【おまけ】
モグラゲームさんの紹介記事
定番!おすすめフリーゲームRPG作品13選
ゲームダウンロード先のリンクもこちらからどうぞ。
追記:ネフェのダウンロード先なかったんでリンク貼ります。
Nepheshel紹介ページ - Studio Til