2015年4月27日月曜日

脚本をはじめて書いてみてわかったこと

どうも、ノンジャンル人生です。
自分の中でニンジャスレイヤーブームが到来しています。まるで電子ドラッグかのごとくアニメ毎日見ています。アレ恐ろしいっすね。

で、今日のお話は脚本について。昨日友人に依頼されて作ったヒーロー物の脚本が仮完成しました。構想は去年くらいからはじめていましたが、執筆し始めたのは今月に入ってから。プロットは早めに出来上がっていたんですが、なかなか書き始めるまで時間がかかってしまいました。まぁ締め切りはなかったんで、まだまだのんびりやれたんですが。きっとこれから修正はいると思うんで、どぎまぎしながら感想待っています。

以前書いたとおり、シナリオの勉強を半年ほどしてから脚本を書きました。これが人生初の脚本です。実際に触ってみて、気づいたことをつらつらと書き進めてみたいと思います。

※ちなみに今回の脚本の内容は今ブログでは取り上げません。一応別名義になるかもしれないので。


【書くためには多くの事前準備が必要】
まずはこれ。小説家の中には書き出しからどんどん書いていく人がいると思いますが、脚本だとまず無理です。今回の場合友人が企画原案なので、彼の意図を汲み取りながら描き上げなくてはいけません。そのため、キャラクターの設定や世界観、詳細なプロットを何回も話し合いました。僕の場合ヒーロー物の知識も乏しいので、最低限の知識を得る必要もありました。アマチュアふたりだからまだ簡単なのでしょうが、実際には演技や美術、尺やスポンサーの制約など、様々な要素を考慮していかなくてはいけません。それらが増えるたび、準備すべきものは多くなっていきます。思いつきの話では必ず頓挫します。書き始める前からが、脚本の仕事なのだと思います。


【アドリブが大事】
思いつきの話は頓挫すると言いましたが、準備して一度書き始めたら、むしろある程度アドリブが求められてきます。書いている途中ちょくちょく筆が止まってしまうことがあります。原因がわからない。もやもやする。そういうときはとりあえず適当でもいいから軽く続きを書き始めるのです。すると、意外と物語が進み、いつのまにかひっかかっていた問題が解決していたりします。もちろんおおまかな部分はプロットに沿ってですが、端々は自由に書いてしまっていいのだと感じました。そうしていくうちに登場人物の個性が強まったり、物語の意外な一面が見えてきたりするのです。大切なのは柔軟性であり、状況に対応出来る『アドリブ力』なのでしょう。ただ、それでも書けない場合、プロットの方に問題があるかも・・・


【栄養となる物語があるといい】
一生懸命書くことはいいことですが、書き手は人間です。書いていくうちにだんだんモチベーションが下がります。そういうとき、美味しいものを食べたりスポーツをしたりしてストレスを解消してもいいでしょうが、何よりも書き手が物語を見て感動することが大切だと思いました。感動は栄養です。栄養は筆を進ませる力になります。僕の場合だと、あるアニメを見てツボにはまったことが書く原動力になりました。見る物語は、完全に趣味でいいと思います。映画、小説、ドラマ、アニメ、ゲーム、どのジャンルでもいいです。自分を突き動かせさえできればいいんです。脚本を書くには別の物語をいくつか参考にする必要がありますが、栄養となる物語はこれとは別であって構わないと思います。とにかく完全に趣味。好きこそ最大のエネルギーです。


まぁ、とりあえずこんな感じです。10のシークエンスからなる脚本を書いたのですが、クライマックスのシークエンス9で登場人物たちを激しくぶつけあっているとき、脚本ってこんなにおもしろいものなんだと実感しました。とは言えまだずぶの素人です。次の作品に取り掛かるうちに見えてくるものもあるでしょう。これからもなにか気づいたことがあればブログに書いていこうと思います。

2015年4月1日水曜日

フリゲRPG「ふしぎの城のヘレン」 : 小さな問題を解かせ続ける価値

少し間が開きました。
記事読み返すたび、自分の話がブレブレな気がして困り果てます。

まぁ、戦術の話なのにランダム要素の部分に絞って話してしまったのは、どうしてもこのゲームについて紹介したかったからです。

RPGツクール2000で作られた短編RPG「ふしぎの城のヘレン」です。


製作者はさつ氏。もともとはVIPRPGから出てきたゲームですが、現在では世界に向けて配信されているというすごい経歴を持った一品です。このゲームを調べていくと、RPGファンから絶賛の声が聞かれることが多く、気になって僕も始めてみました。


このゲームの特徴として、

ドットがよく動く、ツクールのRTP素材のキャラクター達
・思考性が高く、ランダム要素を排除した、1対1の戦闘

が挙げられます。他にも、探索要素が高いマップや、進むにつれ謎が明らかになってゆくストーリーの完成度も高いです。

しかし、なんといっても戦闘が面白いです。
ゲームルールはだいたいこんな感じ↓

①まず主人公ヘレンは探索で剣や盾などのアイテムを集める。所持できる数は8つまで。
②戦闘では、所持したアイテムを選択して戦ってゆく。
 アイテムにはそれぞれ攻撃力・防御力・待機ウェイトが設定されている。
③選んだアイテムのウェイトが0になると、ヘレンは攻撃力の分相手にダメージを与えられる。
 ウェイト中に自分が受けた攻撃は、防御力の分ダメージが軽減される。
④行動後は再び、次に使うアイテムを選べる。
⑤敵も同じように行動してくる。
⑥先に相手を倒すと勝利になる。

 

他のRPGとだいぶルールは違いますが、触ってみると感覚的に戦い方がわかってきます。例えば敵が攻撃する前にウェイトの少ない弓で連撃し、攻撃を受ける直前に盾を使うとダメージ0で相手を倒すことが出来ます。このダメージ0はなかなか爽快。ただしこの戦法だけですべて勝てるわけではありません。

・防御しながら攻撃できる剣は、威力の弱い弓に強い
・連射性に優れる弓は、防御力の低い魔法に強い
・防御を無視して攻撃できる魔法は、攻撃の出来ない盾に強い
・防御力の高い盾は、決定打の低い剣に強い

など、アイテムごとのメリット・デメリットがあります。そして敵も同じようにいろいろなタイプの技を使ってきます。一戦一ターンごとに最善の戦い方を考える必要があり、プレイヤーに戦術性が求められてきます。攻撃は運よくクリティカルしませんし、後半になると敵はこちらの行動を見て最適な行動を選択してきます。前回の記事ではランダム要素の問題を書きましたが、これらのデメリットをほぼ解決しています。分散した無駄な行動はしてきません。そのため「たまたま勝てた」というパターンが起こりません。運の介在が少ないからこそ、相手の行動を読むことが重要になり、考える楽しさが生まれます。


このゲームを触ることで、気づいたことがありました。RPGで単純なパターンやたまたま勝てる要素が強いと、ゲームに考える要素は必要無くなり、つまらなくなります。しかしプレイヤーにさまざまな状況を与え、解決するための方法を自分で考えさせることで、ゲーム性は一気に変わります。

ヘレンの場合、与えられた問題を解くための道筋はけして難しくはありません。しかしそのシンプルさが、一戦ごとに小さな達成感を与え、ゲームを最後まで続けさせるモチベーションを生み出しています。公式サイトには「少しだけ考えるRPG」と紹介していますが、まさに、すべてのRPGが持つべき大切な要素なのかもしれません。


このブログではRPGの戦術について考察していますが、ゲームを作る上でなんでそんなものが必要なのかって言うと、プレイヤーを楽しませ続けるためなんです。「RPGのザコ戦はつまらない」という話はよく聞きますが、これを言わせてしまうことは本当はダメなんですよね。ヘレンのように小さな問題を解かせ続けることは、RPGが進化の過程で忘れてきた大切なことなのだと思います。だからこそ、それが見直されればRPGはもっと面白くなります。まだまだ可能性があるんです。

このゲームは初心者から上級者までだれでも楽しめることが出来ます。安心してプレイしてください。プレイ時間は短いため、もしかしたら遊び足りないかもしれません。でもそう思ったら、すでに作者の思うつぼでしょう。


ふしぎの城のヘレン ダウンロード先
http://www.geocities.jp/i_to_may/

ふしぎの城のヘレン プラス (PLAYISM) 拡張有料版
http://playism.jp/game/153/helens-mysterious-castle