2016年8月21日日曜日

『The Elder Scrolls V: Skyrim』:竜の伝承が残る地で、あなたは英雄にも殺戮者にもなれる

どうも、ノンジャンル人生です。
やーーーーーっとスカイリムをクリアしました!長かった!ほーんとに長かった。購入した時期は冬だったのに、いつの間にか夏になってしまいました。(とは言えクリア後ブログに書くことをしばらくほっぽっていましたが…)

と、言うわけで、今回は『The Elder Scrolls V: Skyrim』のお話です。名実ともに世界の頂点を取り、RPGを新たなステージと押し上げた傑作をあらためてご紹介します。

これまで書いた記事はこちら。
『ゼノブレイド』と『スカイリム』を同時にプレイしてみての感想:その1
スカイリムへの果てしなき旅立ち その1


①スカイリムってどんなゲーム?そもそもオープンワールドって何?


多くの日本人にとって、海外のRPGは馴染みの薄いものだと思います。特に国内はドラクエとFFが長い間RPGの大半のシェアを持っていたため、「The Elder Scrolls」のような海外の人気シリーズと言ってもピンと来ないのは仕方ないと思います。

しかし「グランドセフトオート」のシリーズのようなオープンワールドゲームが日本にも徐々に浸透したことで、他シリーズは知らないけど「スカイリム」は知っているという人もいるでしょう。

本作はオープンワールド式のフィールドで形成されたRPGです。オープンワールドの定義は説明が簡単ではありませんが、スカイリムにおいては「マップが広くて広大」「街やダンジョンに入るとき以外の画面切り替えがほとんど無い」「フィールド移動と戦闘との区切りがない」「操作開始以降、どこにどの順番で行っても問題ない」ことを理解しておけば大丈夫です。

こういったオープンワールドは現実の構造に近いため、それまでのRPGとは一線を画すほど没入感が高めです。リアリティのあるグラフィックが、それを一層強めています。

もちろんそれだけではありません。例えば街の中の住民ひとりひとりにAIが設定され、時間や状況に応じてそれぞれが自分の意志で動きます。普段は街中をぶらぶらするだけの兵士が、ドラゴンや吸血鬼の襲撃の際は勇猛果敢に戦って死んだりします。

こういった要素によって、スカイリムは壮大なファンタジー世界の創造に成功しています。凄まじい規模を誇るため、一見敷居が高そうに思えるかもしれません。しかし実はゲームデザインが「ドラゴンクエスト1」にも通ずるところがあり、導入が丁寧でとっつきやすいのも特徴のひとつです。

②“望めば何者にでもなれる”、ロールプレイの真骨頂


本作の主人公は、一切の経歴がない元囚人であり、竜語(シャウト)を扱える才能を持つ人物です。彼(彼女)はその能力によって、スカイリム地方に伝わる竜を殺せる者「ドラゴンボーン」と呼ばれるようになり、スカイリム地方の命運を分ける存在となっていきます。

しかし、それはあくまでもメインストーリーを進める上での話。各地の街にはいくつものサブクエストが用意され、それらを自由な順番で進めることが出来ます。最初に選べる種族も見た目も自由!冒険中所属するギルドも自由!好きなあのコをストーカーしても、ムカツクあいつをブッコロすのも自由!ともかく自由自由自由!!!

ただし、何物にもなれるからといって、何をしてもノーリスクではありません。例えば住民を殺したり真っ昼間に町中の物を盗んだら犯罪者として賞金がついてしまいます。衛兵が敵対し、監獄行きか袋だたきにあってしまいます。

ただし、こんな場面でもユニークな選択肢がとれるのがスカイリム。衛兵に賄賂を渡したり説得することもできます。状況を切り抜けるための選択がいくつもあり、常にプレイヤーの発想が試されます。

人目を盗んで夜中にピッキングする。堅牢な砦を追ってきたドラゴンに襲撃させる。今までさんざん協力してきた依頼者を突然裏切って宝を独り占めする。想像力が働くほど、このゲームの世界は広がり、面白くなってきます。


③ロールプレイを一層楽しくする成長システム


この幅広いロールプレイを支えるのが、スカイリム独自の成長システムです。スカイリムでは戦闘だけでなく、あらゆる行動をする度に経験値が入ります。レベルが上がるとポイントが手に入り、スキルツリーの中からParkと呼ばれる能力を習得することが出来ます。

片手武器や弓術、隠密や錬金など様々な種類がありますが、そのすべて習得することは出来ません。しかし片手武器を使っていけば片手武器のレベルも上がり、より強力なParkを開放することが出来ます。そのため、自分のプレイスタイルが成長にそのまま反映され、自分好みのキャラクターが自然に出来上がっていきます。

例えば自分の場合、最初はドラクエ勇者風の万能キャラを目指していました。しかしだんだん弓術による暗殺が病みつきになり、どんどん上がる弓レベル。せっかくなので隠密を取り、一撃必殺のスナイパーキャラへと成長しました。接近戦闘は泥臭さを出したかったので、メイス&盾による撲殺戦法を取りました。見えない遠くから狙い撃ち、近づいたら躊躇なく殴打、どう考えても悪役です、本当にありがとうございました。

戦闘ばかり話しましたが、やり方によっては一切の戦闘をしないキャラだって作ることが出来ます。ひたすら鍛冶・錬金・付呪に明け暮れても問題ありません。スカイリム生活を自分のスタイルで貫き通せばそれでオッケーなのです。(ただしクエストの多くはダンジョン攻略ですけどね)


④MODで更に自由に出来る一方、そのハードルは異様に高い

ここまで自由度を語ってきましたが、これで終わりではありません。スカイリムには「MOD」が採用されています。MODとは、スカイリムを開発したベセスダ非公式のゲーム拡張スクリプトで、ゲームのグラフィックや細かなシステムやUI、果ては本編に登場しない大陸を用意することすら出来ます。

非公式とは言いますが、ベセスダではMODによる遊びを推奨しています。現在PC版でのみプレイ可能でしたが、今後発売されるPS4・XBOXONE版でも楽しむことができるそうです。グラフィック拡張などはある程度のPC性能が必要になってきます。

ただし問題点なのが、MODを遊ぶまでかなりの手順を踏まなければいけないことです。MODは日本語版に対応していない場合がほとんどで、英語版をインストールして翻訳データを入れ日本語化(ここまででかなりしんどい)、その上でMODインストーラーを用意し、併用できるかどうか吟味して初めて動きます(MOD同士の相性次第では、ゲームが落ちます)。ある程度のPCスキルは必須、読解力や取捨選択力まで要求されます。あと複雑なデータを管理する能力・・・頭が痛くなってくるのでもうやめましょう。次世代機版で楽にMODを使えることを祈るばかりです。

MODを入れない状態でも十分楽しめますが、スカイリム自体の持つ膨大なバグや煩雑なUIに悩みたくないPCプレイヤーは、ユーザビリティ関連のMODを最初から入れてもいいと思います。スカイリムのバグは、プレイ時間が長くなるほど悩まされるので、先手を打つと後々楽になります。しかし上記の通り手順が大変なので、まずは一切のMODなしでプレイし、本格的に挑みたくなったら、MODを入れキャラをまたイチから作り直すのがオススメです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このように、壮大で手に負えないほど自由なのがスカイリムです。手に負えなさすぎて途方に暮れます。突然バグに襲われて腹も立ちます。中には進行不可のような酷いものも沢山あります。一部のダンジョンが長すぎてダルい時間を過ごすこともあります。

それでもこの世界から抜け出せないほど魅力的なのは、スカイリムという地方の手触りが確かなものだからです。遠くまで馬で駆け抜け、その先に何かあるのか探したくなる衝動に駆り立てられます。オープンワールドだから面白いのではありません。プレイヤーがここで生きたいと思わせるほどに作り込まれた世界があるからです。

ゼノブレイドに続き、再び最高の体験ができたと思います。空想の世界なれど、果てしない冒険はとても楽しいです。まだDLCをすべてクリアしていないので、気が向いたらいつでも再プレイしたいですね。積みゲーさえなければの話ですけど…。


コラム「フリーゲームをはじめよう。」を終えて

どうも、ノンジャンル人生です。今年の夏は気候や湿度にやられて、ノックアウト状態でした。特に梅雨明け前の安定しない気温は地獄でしたね。

さて、本日もぐらゲームス様にて連載記事「フリーゲームをはじめよう。」第五回を寄稿しました。宣伝通り今回で最終回になります。今まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。慣れない文章でも反応をいただけたのがとても心強かったです。
ひと通り終わったので反省会でもしようと思います。

生まれて初めて“連載”を受け持ちましたが、やはり書き上げるのは予想以上に大変。締め切りは設けず、自由に書かせて頂いておりましたが、目標としていた月イチペースよりもやや遅れ、ひと記事に一ヶ月強かかってしまいました。書いている時間そのものは短いのですが(数日程度)、そこに至るまでの構想がなかなかまとまりませんでした。

これはもう今の段階での実力と認めて、少しずつ改善していくしかなさそうです。ただ時間をかけた分、伝えたい内容は十分書けたと思います。

あとは、しっかり調べながら書いたことは良かったですが、突っ込みどころは少なくて真面目な記事だったかもしれません。初心者に向けて書くことを意識したので適切かもしれませんが、今後はもう少し読者側を巻き込めるよう意識してもいいかもしれませんね。

その他、文章を書くためのルールや準備など、いろいろ至らなかった点があるかも知れません。実際失敗の連続でした。今後より良い文章を書けるよう、今回学んだことを胸に刻みたいと思います。お世話になったもぐらゲームスの皆様、ゲーム制作者様、素材提供者様、そして読者様、皆様の助けがあって書くことが出来ました。大変ありがとうございました。

と、言うことで終わりです。言いたいことは言い切ったので、あとは通常運行に戻ります。今年は『ウィズメイズ』しか書けてないですしね。何を書くか吟味したいところですね(既に何案か相談していますが)。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

話は変わって。
ここ数ヶ月の間に、ゲーム関連の状況が大きな変化をし始めているような気がしてなりません。社会現象になった「ポケモンGO」を筆頭に、インディーズゲームの注目度の急上昇(ソニーと任天堂が力を入れ始めました)、日本のゲーム会社がPS4やSteamへの本格参戦、VRへの高まる期待、eSportsの本格上陸などなど…。突然もぐらさんが株式会社になったのも驚きましたねw

株式会社Mogura 設立のお知らせ - 株式会社Moguraの広報ブログ 

変化が起こっているのにもかかわらず、自分はそのムーブメントにやや乗り切れていない感がします。自分だけでなく、周りの人達にも全然乗れていないように見えます。その原因はメディア全体が流行を捉えきれず、過去の遺産に囚われているからのように感じるのは、私だけでしょうか?逆を言えば、新たなる流れに乗れない自分も、同じように過去にすがっているのかもしれません。

かつてのゲームを通した遊びは、人から与えられる一方通行のコンテンツでした。そのコンテンツを大きくするためには、物量を増やす以外方法がなく、そのせいで人気シリーズが次々と消えていったのが「JRPG」というジャンルです。

しかしネットを誰もが触るようになり、自分にリアクションを返してくれる相手が現れるようになりました。いわゆる双方向性というものです。安寧と退屈で満ちたゲームの世界に、様々な人間の意思がリアルタイムで混ざり、風穴を開けたのです。

双方向性の時代を代表するゲームが、ブロックを掘って積み上げる「Minecraft」なのが面白いところです。あのゲームは、やはりインターネット無しではここまで流行ることはなかったと思います。面白いことをする動画が拡散され、反響が次々と広がってフィードバックしています。ゲーム界隈のスクラップ&ビルドを、Minecraftそのものが体現しています。

フリーゲームもそうなのかもしれません。例えば自分が幼いころコンシューマのRPGツクールで作ったものは、大手メーカーのゲームを模倣する「ゲーム作りごっこ」でしかありませんでした。しかし表現幅が上がり敷居が低くなり、更にネットを通して配信されてゆくことで、人とゲームの新たなあり方を示すモデルケースになろうとしています。

大きく変化するゲームの世界の中で、自分はどうあるべきか戸惑うところです。着いていけないのではないかという不安もあります。しかしもぐらさんや個人でゲームを制作している方々が先陣を切ってくれているおかげで、たしかにこの世界の先に可能性の光が差し込まれています。目の前にあることを本気でやり通せば、道は自ずと開けてゆくようにも思えます。

そんなわけで、これからも頑張っていきたいです。どうぞ、よろしくお願いします∠(`・ω・´)